神奈川県は相模湾沿いのエリアを湘南と呼びます。サザンの桑田さん、裕次郎さん、そしてもうひとり、私の夫がこの土地で生まれました。それまで都心のマンションで暮らしていた私と夫と3歳の息子は、夫の生まれ故郷である湘南に戻って念願のマイホームを建てました。
私たちがこだわったのは湘南スタイル。家作りは家族作りと似ています。人間は、毎日毎日、少しずつ変化していきます。そんな風に変化する人間の集まりが家族です。だから成長していく家族に合わせて、進化する家を作りたいと思いました。消費して使い捨てるのではなく、家族の変化に合わせて手入れしていく家。長く手入れするのに値する、愛着のわく、質感のある家でもあります。それが、「湘南スタイルの考え方」だと思います。
海があって、山があって、それでいて、ちょっとオシャレなカフェもあって。そんな自然に人間が溶け込んだこの土地だから、木の家を建てたいと思いました。夫は、勝ち負けだけにとらわれず、通勤ラッシュにもまれない、ストレスフリーの仕事をするために。私は、庭でハーブを育てたり、自家製マリネを漬けたり、そんなちいさな幸せに喜びを見い出すために。
そして、子供は、犬と一緒に海岸をかけっこするために。ネオンも喧騒もブランドショップもないけれど、そんな人間らしい暮らしが、湘南スタイルなんだと思います。ほら、開け放した窓からは潮の香りが漂ってきましたよ。
湘南での家作りのポイント、私たちがこだわったのは、なるべく「自然に逆らわない」ということです。都心から引っ越してきたからこそ、海や山や、風や雲といった自然に驚き、リスペクトの気持ちが強くなっていったんですね。
シックハウスの問題が取りざたされて以来、家作りにも安全性が求められるようになってきました。生活の大半を過ごす場所ですから、安全であることは大前提です。
そのためには、できるだけ自然の建材で家を建てたいと思いました。自然素材の建材といえば、木ですね。
ですから、「安心して暮らせる木造建築」を目標に家作りをスタートさせたのです。